浅田次郎 終わらざる夏


こう言う歴史があったのだと思い知らされる歴史小説。時は1845年8月18日。千島列島最北端の当時の国境にあるシュムシュ島(占守島)で起きたソ連軍と日本陸軍との闘い、その後の戦後処理を描いている。様々な人間模様、三人の主人公が織りなす人間味あふれる会話や攻めてくるロシア人の夢物語もある。特に最後の章は虚しく悲しげな話になるが、小説の元にあるこの史実を忘れることは無いだろう。