藤沢周平「義民が駆ける」


天保11年(1838年)11月から翌年7月にかけての三方領知替え阻止運動の顛末記。

物語は庄内酒井家が長岡へ、長岡牧野家が川越へ、川越松平家が庄内へ、という三方領知替えの幕命が下るところから始まる。

百姓一揆と言うより、百姓たちの籠訴追や周辺藩主への領地替え阻止への訴求など世論形成して阻止する物語。天保の改革を推進する水野忠邦との抗争と最後の逆転勝訴が見もの。