五木寛之「親鸞」


2011年10月文庫本初版。天台宗から浄土宗や浄土真宗、禅宗、日蓮宗が興る流れをコツコツと調べる流れの「読書」の一環。

 

吉川英治の「親鸞」は、35歳の時に京の吉水から越後に配流された後、4年後の39歳に流罪を許され、その後、20年間関東で布教し、63歳ごろに京に戻るまでが描かれている。五木寛之「親鸞」では、配流先の越後(妻・恵信尼の生まれ故郷)に向かうまでを描いている。

 

吉川「親鸞」では、流罪を許され、越後から下野、常陸国稲田で念仏の教えを広く伝え、稲田の地で『顕浄土真実教行証文類、けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい』(教行信証、きょうぎょうしんしょう』)を書き始めるなど、浄土真宗を興す流れがつかめる。五木「親鸞」は、法然上人が過去の仏教思想から選択(せんちゃく)した念仏思想とは何か、また法然からの教えを親鸞が自ら求める念仏思想に変えてゆく有様が深く描かれていると思う。

 

「親鸞」を読むならこの二人の「親鸞」がおすすめ。

 

順番が逆になったが、今おっかけで「法然」を読み始めた。