古代史の基礎4(現代日本人の祖先)


今日の朝日新聞朝刊に、金沢大学・鳥取大学の研究チームが発表した「現在日本人の祖先ー古墳時代に誕生?」という記事が出ていた。

 

現在、古代史関係の本や論文を読み漁っている中で、多くの漢人や朝鮮人が渡来して、倭人との混血もかなりすすんだのだろうと思っていた。そんな中での発表なので大変興味深く読んだ。

結局、元々の縄文人に弥生時代に大陸から来た弥生人と混血が進み、今回のように古墳時代に更に大陸からの渡来が進み、混血が進んだということだ。

 

古代史関係の本にもあるように、「日本人の祖先は大陸からの渡来人との混血である」という点が一層理解できた。


読売新聞の方も、添付しておく。

 

 縄文から弥生、古墳時代にかけての日本各地の遺跡から出土した人骨の遺伝情報を解析し、現代日本人は三つの祖先集団を持つことが判明したとする研究成果を、金沢大などの国際研究チームが発表した。縄文人に由来する遺伝情報を維持したまま、北東アジアと東アジアの集団の遺伝情報が融合したという。論文が18日、米科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載される。

 

 一般に日本人は、先住民の縄文人と大陸から朝鮮半島を経由した渡来人が混じり合って誕生したとされる。だが、人骨に含まれる遺伝情報の解析などから、より複雑な経緯があると考えられるようになった。

 

 金沢大の 覚張(がくはり) 隆史助教(考古分子生物学)らのチームは、縄文、古墳時代の人骨計12体の遺伝情報を新たに解読し、既に報告がある縄文、弥生人骨計5体の結果を加えて解析した。その結果、時代を追うごとに大陸の集団に特徴的な遺伝情報が増える傾向を確認した。

 

富山市の小竹貝塚から出土した縄文土器(左)と人骨(金沢大学の中込滋樹客員研究員提供)、長崎県佐世保市の下本山岩陰遺跡から出土した弥生人骨2体は、約6割の遺伝情報が縄文人由来で、残り約4割は中国・ロシア国境のアムール川など北東アジア由来だった。また、金沢市の岩出横穴墓の古墳人骨3体は、東アジア由来の遺伝情報も含まれており、大陸から日本へ複数回にわたって人の移動があったことを裏付けたという。

 

 古墳時代人の遺伝情報は、現在の平均的な本州の日本人に近く古墳時代以降は大陸からの人の移動は少なかった可能性があるという。

 

  国立科学博物館の篠田謙一館長(自然人類学)の話 「弥生人の遺伝情報は地域や時代で大きな差があり、現代の日本人に近い例もある。当時の実態を解明するには、解析する人骨を増やす必要がある」