初出1985年9月~1986年12月(日本経済新聞)、書籍版1987年6月(文藝春秋)。
文庫本の中古もかなり探したが、読書ペースに合わないので書籍版を購入。電話帳のような2冊は読むのに重かったが、上下2冊を完読した。
この本では、聖徳太子を中心に多くの関係者、特に、蘇我馬子、豊御食炊屋姫(とよみかしきやひめ、後の推古天皇)との人間関係、また4人の妃との婚姻の目的など様々な人間模様が描かれている。
興味深い点は、
- 14才の厩戸皇子がみた蘇我馬子と物部守屋戦争
- 秦河勝と厩戸皇子の関係
- 上宮王家と呼ばれる背景
- 馬子による崇峻大王殺害の背景と馬子に対する豪族たちの反応
- 推古大王の擁立の背景
- 4人との婚姻の背景
- 厩戸皇子が皇太子になる背景(大王にならなかった背景)
- 飛鳥と斑鳩宮の関係
- 厩戸皇子による遣隋使派遣の背景
- 憲法十七条の制定
- 山背大兄王の人間性について
- 蘇我蝦夷の人間性について
様々な人間ドラマを盛り込んだ歴史小説であった。