黒岩重吾「斑鳩宮始末記」


初出1997年1月~1999年11月オール読物、単行本2000年1月、文庫本2003年1月。

 

この本は、「聖徳太子 日と影の王子」を読んでから読むと、登場人物の素性が分かっているので興味深く読める。

 

主人公の調首子麻呂(つぎのおびとねまろ)は、百済からの渡来系調氏(つぎし)の子孫。文武に優れ、18才で厩戸皇太子の舎人になった。600年(推古8年)完成の斑鳩宮に遷った厩戸皇太子から、都を騒がす輩を取り締まるように命じられ、冠位十二階(603年)や十七条憲法(604年)が発行される年代に上司の秦造河勝、部下の魚足と繰り広げる捕り物帖的な時代小説。

 


「中大兄皇子伝」は中々手に入らないため、一昨日図書館で予約して本日取りに行く。これを読むと、後は既にゲットしている「天の川の太陽」、「茜に燃ゆ」、「天駆る白日」と時系列で読める。