黒岩重吾「弓削道鏡」


初出単行本1992年7月文藝春秋刊、文庫本1995年6月第一版。初出から30年。

 

神亀3年(726年)道鏡16歳から宝亀3年(772年)62歳で没するまでの物語

 

俗説の弓削道鏡像とは全く異なる孝謙・称徳女帝との純愛物語というタッチの本。称徳女帝がなくなる寸前までの物語である。女帝が亡くなることを想定しながら最後までよむと確かに純愛ものだと思った。

 

最後にある「解説」の中で、解説者・倉本四郎が黒岩重吾にインタビューした際に、

…ひとりの無位の青年が、ふつうなら手のとどきようもない女性と愛恋におちる。その過程と結末を描く、純愛物語…

と語っている。


やっと、「弓削道鏡」を読み終えて、黒岩重吾の古代歴史小説やエッセイを全て読み終えた。

これらの本と歴史上の時間軸を合わせたものが次の資料。

 

「弓削道鏡」は奈良時代の後半に渡る物語。いわば、古代時代小説の最終章のようなもの。

現在、これまでの作品をデジタル年表に置き換えている。

 

各本に登場する人物、その物語の流れを決める史実などを一括してデジタル年表化しているので、完成までは少し時間がかかりそうだ。