高橋克彦「火怨」再読の準備


「風の陣」を読み終えて、やはり続いて「火怨」を2年ぶりに再読したくなった。

 

本の概要は、この後のブログに書くとして、「火怨」の中で阿弖流為が物部二風(天鈴の父)を東和に訪ねるところがある。

その中で、蝦夷と物部が古代から信仰する神として、荒波々幾大神(あらはばきのおおかみ)が出てくる。また、北海道小樽にある金吾龍神社の他に岩手県花巻市東和にある丹内山神社も物語に出てくる。

 

そこで、荒波々幾大神と丹内山神社について調べてみた。

 


 

波々幾大神について

 

荒波々幾大神の解説として、

の御祭神は縄文時代にまで遡る自然信仰の神で、龍神信仰の原初の姿であったと考えられています。総産土神(地主神)であり、時代が下るにつれて東北・関東を経て日本全土で崇敬されていたと云います。

とある。

また、金吾龍神社の御祭神もHPを参考にすると、配祀神は国・山・海の神様で後に祭られたと解釈すると、主祭神の大元尊神と荒波々幾大神は初めて耳にした。特に、「火怨」でも荒波々幾大神は北海道→津軽→東和を辿り祭られたと紹介されている。 

HPには荒波々幾大神の歴史についても書かれている。要点だけ抜粋すると、以下のように書かれている。 

金吾龍神社の本宮は荒廃のため、6年前の2016年、東京都新宿区の満俊の一室に「東京分祠」として祭られている。

 

両社の説明看板を借用して以下に示しておく。

こちらが北海道小樽にある金吾龍神社

こちらが現在の本宮


内山神社について

 

岩手県花巻市東和町にある丹内山神社

 

アラハバキ神は古事記や日本書紀に登場することのない、謎の神と言われている。蝦夷の神、物部の神、製鉄の神、賽の神などとする説があるとのこと。

 

また「火怨」にも出てくるように、アラハバキ神が祀られているところには必ず磐座があると言われ、丹内山神社も巨石があることからアラハバキ神を祀ったのであろう。

 

 「火怨」に登場する丹内山神社の巨石

巨石の解説



後に

 

荒波々幾神にまつわる神社をグーグルアースでめぐってみた。