初版で直木賞受賞1965年(昭和40年春)、文庫本(文春文庫、1978年初版)。直木賞受賞から57年前本。
- 源頼朝・義経・阿野全成
- 北条時政・政子・保子(阿波局)
- 梶原景時
- 三浦義村、北条義時
の視点から描いたショート小説を集めたもの。と書いたが、永井路子が最後に記したあとがきではそうではないとある。
前略)...この四編は、それそれの長編の一章でもなく、独立した短編でもありません。一台の馬車につけられた数頭の馬が、思い思いの方向に車を引張ろうとするように、一人ひとりが主役のつもりでひしめきあい傷つきあううちに、いつの間にか流れがかえられてゆく--そうした歴史というものを描くための一つの試みとして、こんな形をとってみました。昭和39年(1964年)十月 光風社刊
いずれにしても、鎌倉初期の史実をキーマンの視点からみたもので、大変興味深く読んだし、鎌倉幕府が承久の乱を得て第二執権・北条義時が亡くなるまでの史実の復習にもなった。
確かに、今年の大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」放映中でもあり、ブックオフでも中々手に入りにくい人気のある本であることを納得した。
ということで、少し「炎環」を片手に鎌倉幕府の気になる点について調べてみた。
鎌倉幕府の職制を吉川弘文館の歴史手帳で調べると、
先ず、頼朝の将軍期と2代将軍(鎌倉殿)になってからの執権体制の二つがあったとのこと。
将軍を「鎌倉殿」と呼び、頼朝亡き後の2代目源頼家以降から実質的に黒枠□で示される「鎌倉殿の13人」の合議制(図では評定)で政が執り行われていたことが分かる。
初の合議制に参加した13人のリストは、刀剣ワールドに書かれているのでこれを参考に、一部追記をしてみた。