海音寺潮五郎「悪人列伝:古代篇」


出(中世篇のあとがきから)1967年(昭和42年)5月20日、出版社不明。1975年11月文春文庫、文庫本新装版2006年11月10日、第3版2013年5月30日。

 

古代篇に登場するのは、蘇我入鹿、弓削道鏡、藤原薬子、伴大納言、平将門、藤原純友。

今回初めて読んでみた。登場人物が出てくる時代の背景がきっちりと書かれていることに新鮮さを感じた。解説も異常に長文だが、「これが海音寺潮五郎の史伝である」とその背景などきっちり書かれている。

 

史小説を読む場合に、当時の政治状況や民の生活状況などを理解すると、同じ人間であるせいか、ある史実のとらえ方もおのずと分かるような気がする。逆に読者にそのように向かわせるのが、海音寺潮五郎の史伝である。

 

ちなみに、解説にあるように、司馬遼太郎の「国盗り物語」の種本は、「武将列伝」で描かれた斎藤道三だったとのこと。へぇーそうなんだ!