冲方丁「光圀伝」


水戸光圀と登場人物の繋がりが興味深い。どこまで史実なのかと思うほど良く書かれていると思う。

最後の小石川邸での能会の後に実際にあった水戸藩大老藤井紋太夫を光圀の手による手討ち事件はその理由が謎とされている中で、作者独自の解釈によるストーリーが盛り込まれている。これが事実なら、13歳から手塩にかけた忠臣が考える義がどう変わって行くと、こういう結末になるのか興味を持ってしまう。